戌の日について

戌の日について

妊娠5か月目(16~19週目頃)の「戌の日」に、安産を願って行う「帯祝い」という儀式があります。
おなかに赤ちゃんが宿ってから初めてのお祝いの行事です。
一般的に家族だけで行うことが多いため、今まで参列したことがなく、あまりなじみのない方も多いかもしれません。
では「戌の日」の「帯祝い」はいつ行くのか、お参りはどこに行くのか、また祈願はどのように行われているのでしょうか。
戌の日の意味や祈願時のマナー、2019年度の戌の日カレンダーや、儀式のお祝い金額がいくらかなどを紹介していきます。

戌の日とは?

戌の日とは

「戌の日(いぬの日)」とは、日本の歴の上で十二支である、子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の、「戌(いぬ)」に当たる日を「戌の日(いぬのひ)」と呼びます。

十二支と言うと、年賀状などに使われる干支を想像しますが、1年ごとに変わる十二支以外に、「日」にも振り当てられています。
細かく記載してあるカレンダーや手帳には毎日の日付の下に十二支が書かれているものもあります。
分かりやすいところで言うと、「土用の丑の日」と聞いたことがあると思います。
「土用」とは一年に4回あります。立春、立夏、立秋、立冬の前の各18日間です。
「丑の日」は、十二支が日ごとに繰り返し振り分けられていますから、12日に一度回ってきますね。
その立秋前の夏の「土用」の「丑の日」に暑さを利用したり、暑気負けを防ぐためにウナギを食べる風習が有名です。
「戌の日」も同じです。
12年に一度戌年が回って来るように、12日に一度「戌の日」が回ってきます。
カレンダー上1か月に2~3回あるということになりますね。

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安産祈願「帯祝い」とは?その由来は?

安産祈願「帯祝い」とは?その由来は?

妊娠5か月(16~19週目)に入った最初の「戌の日」に、妊婦さんが腹帯を巻き、お寺や神社で、安産祈願のお参りをする、と言う風習が日本にはあります。
この、安産を祈願して妊婦さんが腹帯を巻いてお参りする儀式が「戌の日」の安産祈願です。
大きくなっていくお腹を守るために腹帯を巻くことから、「帯祝い」とも呼ばれます。
なぜ「戌の日」かというと、「戌=犬」ととらえ、犬はお産が軽く、一度にたくさんの赤ちゃんを出産するということに由来し、犬は安産の象徴として愛されてきました。
犬が「安産の守り神」というところから、「戌の日=安産祈願」の風習ができたようです。

戌の日の安産祈願の流れとしては、

  • お寺や神社で無事な出産を願って祈祷をする
  • 大きくなっていくお腹を守るために腹帯を巻く
  • 親族と祝い膳を囲む
    というのが一般的な流れです。

戌の日の「帯祝い」は、「着帯式」とも言われます。妊娠してから初めてのお祝いの儀式です。
帯祝いの帯は「岩田帯」とも呼ばれます。
腹帯は妊娠5か月目は安定期に入り、目立ってきたお腹を保護すると共に「岩のような丈夫な赤ちゃんを」という願いも込められています。
帯祝いの歴史は古く、「古事記」の中で神功皇后がご懐妊された際の帯に関する記事が期限となったとも言われています。
現在の皇室にも「着帯の儀」と呼ばれる宮中儀式があり、一般の戌の日の帯祝いと同様に行われています。

妊娠5か月目と言うと、赤ちゃんの流産の危険も、お母さんの体調も安定してくるころです。
妊娠5か月目の戌の日に、とありますが、婦さんの体は非常にデリケートですので、戌の日にこだわらず妊婦さんの体調や天候を見ながら、出産まで無理のない程度で戌の日に近い日にお参りするといいですね!

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2019年度の戌の日カレンダー

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2019年度の戌の日カレンダーは以下の通りです。

カレンダーに一緒によく書かれている歴と言えば、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の、六曜もありますが、安産祈願は六曜とは関係がないので、気にすることはありません。
しかし、お祝いの行事なので、できれば日がいい時が、と思いますよね。
戌の日と大安が重なっている日は安産祈願を行う人が多いという面もあります。
カレンダーと見比べてお参りの日取りを組んで行きましょう。
カレンダー内の下線は、戌の日と大安が重なっている部分です。
2017年、2018年の過去の記録を見ると、人気の神社の大安の戌の日の土日は参拝までに何時間もかかったところもあるようです。
自身の妊娠5か月目の計算をしてカレンダーと見比べて行きやすい日にちを計画しましょう。
戌の日にこだわらず、妊婦さんの体調や天候を考えて無理をしないようにしましょう。
急な不幸があり葬儀と戌の日の帯祝いが同じ日になってしまうこともあると思います。
その場合は無理しない程度に葬儀に参列し、戌の日のお参りはまた改めてという手段もあります。
2020年
1月 8(水)・20(月)
2月 1(土)・13(木)・25(火)
3月 8(日)・20(金・祝)
4月 1(水)・13(月)・25(土)
5月 7(木)・19(火)・31(日)
6月 12(金)・24(水)
7月 6(月)・18(土)・30(木)
8月 11(火)・23(日)
9月 4(金)・16(水)・28(月)
10月 10(土)・22(木)
11月 3(火、祝)・15(日)・27(金)
12月 9(水)・21(月)

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安産祈願の参拝の場所と金額は?

安産祈願の参拝の場所と金額は?

戌の日の安産祈願の参拝についてですが、多くの神社やお寺で祈祷を受け付けています。
有名なところの一つに、「水天宮」があります。「水天宮」と呼ばれる名称の神社は全国にあり、総本宮は福岡の「久留米水天宮」です。
関東エリアで有名なのは東京の日本橋にある水天宮です。安産、水難除けの神として知られ、当時は毎月5日には、縁日が開かれ多くの参詣者でにぎわいました。縁日の際に参道では鏡餅が売られ、購入した参詣者には、厄除けのため火打石で切り火が切られました。
2018年は水天宮が江戸に鎮座して200年となる記念の年でしたので、記念した御朱印も頒布されていました。
関西エリアでは、兵庫の中山寺や大阪の住吉神社が有名ですね。

戌の日の安産祈願で有名な神社やお寺は全国各地にあるので、探してみると近くにあるかもしれません。

戌の日の安産祈願をするにあたり、必要なのが「初穂料」です。
祈願したい神社やお寺に出向き、社務所で祈祷の受付をする際にお支払いします。
戌の日の安産祈願の予約を事前にしておくほうがスムーズにできる場合もあります。
「初穂料」は一般的に3,000円~10,000円ほどです。
お祝いですので紅白の水引の付いたのし袋に入れ、「初穂料」と記入し、お金を入れます。
神社によっては、戌の日の安産祈願の初穂料として初めから料金が決まっている場合もあります。
祈願してもらうお寺や神社に事前に確認しておくのがおすすめです。

また、神社ではなくお寺で祈願してもらう場合は初穂料とは言わず「ご祈祷料(ごきとうりょう)」や「お布施(おふせ)」と言います。

参拝時の服装は?

参拝時の服装は?

戌の日の安産祈願での服装については悩むところでもありますが、一番は妊婦さんの体に負担のない格好で行きましょう。
「神様のところに祈祷に行く」ので、ある程度きちんとした服装で行くのが望ましいですね。
夏場でもサンダルや穴あきデニムなどは避けた方がいいと思います。また、祈願の際に靴を脱ぐ場合もあるので素足も避けましょう。
男性の方も、ある程度きちんとした洋服で参拝しましょう。
チノパンやスラックスと襟付きシャツやジャケットなどを着用するのがおすすめです。

妊娠5か月と言えばよく「安定期」と言われますが、妊娠は非常にデリケートなものなので、妊婦さんの体調とお腹の赤ちゃんを無事に出産するまでは第一優先とし、体に負担がかからないように注意しましょう。

服装って悩みますよね。

安産祈願の参拝は誰と行くの?本人が行けない場合は?

安産祈願の参拝は誰と行くの?本人が行けない場合は?

妊娠5か月を迎えた最初の戌の日に安産祈願のお参りには誰と行くかの決まりごとはありません。
両家の親と夫婦が一緒に行く家庭もあれば、夫婦だけで行く家庭などさまざまです。
また妊娠5か月は安定期と言っても人それぞれです。体調が悪いなど妊婦さん本人がお参りに行けない場合もあります。
検診の際に、病院から、流産の危険性を指摘され、無事な出産まで安静を言われている場合もあります。

出来れば戌の日の前後に本人がお寺や神社に赴いて直接ご祈祷してもらうのが一番かもしれませんが、体調の悪い中無理して外出をするのは絶対に避けるべきです

戌の日に安産祈願で有名な場所は他の安産祈願に来たお客さんで混雑していることが多いです。祈祷までに何時間も待たなければならないこともあります。
妊婦さんは無事に出産するまでは自分とお腹の赤ちゃんの体調を最優先させましょう。

代理の方がご祈祷を受ける場合は、妊婦さんの出産予定日、ご夫婦の名前、住所、生年月日などの控えを準備しておき、これを持参します。
代理の人が腹帯を持参し祈祷してもらったり、腹帯をもらえる神社やお寺では代理の人がもらってきたり、場所によってやり方はさまざまです。

腹帯とは?その意味と効果について

腹帯とは?その意味と効果について

妊娠5か月目の戌の日に、安産を祈願して腹帯を巻き、お参りをするとありますが、腹帯とは一体何でしょうか?
ここでは帯について説明していきます。
この「腹帯」についてですが、別名「岩田帯」とも呼ばれます。
「穢(けが)」れや災いから身を守る「い肌帯」が語源です。岩のように頑丈で強い赤ちゃんになるようにという願いが込められています。「結肌帯(ゆわたおび)」と呼ぶところもあります。
帯祝いで使う帯は、二通りあります。

  1. 一つ目は、妊婦方の実家から妊娠5ヶ月目の戌の日の半月前から当日までにプレゼントされます。
    正式には、紅白の絹地二筋、白さらし木綿一筋を奉書に包んで紅白蝶結びの水引をかけます。
    表書きは「岩田帯」「祝い帯」「寿」などと書きます。
  2. 二つ目は、安産祈願を行うお寺や神社でいただけるものです。
    お寺や神社ではこの帯を含めた値段で「初穂料」として設定しているところもあります。
    もちろん帯がないところもありますので、その場合は祈祷の際に自身の帯を持参し、祈祷していただくことになります。

安産祈願の方法はお寺や神社でさまざまです。必ず事前に問い合わせていきましょう。

現代はさらしの布のみを巻いたり、腹巻きタイプの妊婦帯、パンツ型のガードルタイプやコルセットタイプの妊婦帯など、さまざまなタイプの帯が出ています。

「腹帯」とはもともと帯祝いとして用いられていた紅白の絹帯地、それが一般化し実用的なさらしをさし、それをもっと使いやすくと考えられたベルト型のコルセットタイプのものやガードルタイプのものは「妊婦帯」と呼ばれることが多いようです。
祈祷の時に帯を巻く儀式をしたり、腹帯を持参し祈祷をしてもらったり、祈願先によって方法はさまざまです。
腹帯は出産の後はさらしタイプのものであれば、赤ちゃんの肌着などに使うこともできます。
出産まで守ってくれた神聖なものなので、決して腹帯を雑巾などには使わないようにしてくださいね。
出産した後も次の妊娠時の洗い替えとして保管しておくのもいいですし、出産後にお守りと一緒にお焚き上げをしてくれる神社もあります。

帯は不安定な骨盤を支え、腰痛などを予防するためにも、戌の日のお参りをきっかけとして、妊娠期間を通して祈願後から出産まで、できるだけ巻いておくことをおすすめします。

安産祈願参り後の祝い膳について

安産祈願参り後の祝い膳について

戌の日の帯祝いの正式なしきたり・風習では、「帯役」を子宝に恵まれた夫婦に依頼し、仲人を招き、両家の両親に同席してもらい、帯を巻く儀式を行います。
しかし現代ではおつきあいそのものが減っているため、帯を妊婦の母や姑に腹帯を巻いてもらうことも多いようです。
帯を持参して祈祷してもらう場合もありますし、神社やお寺で帯をいただき巻くところもあります。

そうした腹帯を巻く儀式や祈願のあとにお赤飯などを用意して食事をするのが祝い膳です。
昔は産婆さんや仲人さん、親戚一同を招いて振舞ったようですが、今ではごく身内で行うのが一般的です。

自宅でレシピを考え祝い膳を用意することもありますし、お寺や神社で安産祈願をした後にホテルのレストランや懐石料理店、和食の食事処などでお祝いの食事会を行うというスタイルも多くなっています。

戌の日に当たる妊娠5か月目は、まだつわりがある場合もあります。
妊婦さんは出産まで味覚が変わることもありますので、食べやすいメニューを選ぶことや、生ものを避けるなど妊婦さんも気を遣わず食べられるものを選ぶと楽しい食事会になるかもしれませんね。

食事の費用の支払いですが、夫の両親が払うという風習があるところもありますし、遠方から来てくれる場合ことを考えてこちらで支払いをする場合もあります。
いずれにせよ、支払いの時に時間がかからなくて済むように、だいたいいくらかかるかを計算しかかる費用を事前に準備しておくのがおすすめです。

妊娠5か月目は、安定期に入って流産の確立もぐっと下がる時期です。出産予定日はまだ先ですが、少しずつ出産を意識し始めるころかもしれませんね!

生まれてくる赤ちゃんの喜びを家族や親戚で分かち合い、楽しい食事会になることと思います。

「お礼参り」はいつどのように行くの?

「お礼参り」はいつどのように行くの?

妊娠5か月を迎えた最初の戌の日に、安産祈願をしてもらう風習が日本にはあります。
神社やお寺で帯を巻き安産祈願の祈祷をあげてもらいます。
そして無事に出産したあと、その成就にお礼として参拝する「お礼参り」というものがあります。
出産は女性にとっても赤ちゃんにとっても命がけで、もちろん家族にとっても最大と言って良いくらいのことなので、出産が無事に成就した安堵の気持ちと、受けたご利益の感謝の気持ちはとても大きいですよね。
実際、無事に出産を終えた後、安産祈願をしたお寺や神社にお礼参りで訪れるママさんたちも多くいます。
また戌の日に神社でいただいたり、友達や親戚からもらったお守りも、この時に返納します。
腹帯やお札も一緒に返納することができます。
神社やお寺側からも、出産後にお礼参りをして神様・仏様に感謝を報告しましょうと、お礼参りを勧めているところもあります。

安産祈願の際は、妊娠5か月目に入った戌の日にと言う目安がありましたが、お礼参りにはいつ行くのか誰と行くのかなどという明確な時期やルールはありません。
出産後は母子ともに体調も不安定なことが多いので、出産後すぐに行くというわけにもいきません。

出産後30~33日後に行うお宮参りや、100日で行う百日のお祝い(お食い初め)などのお祝いの行事と合わせてお礼参りをする人も多いです。

カレンダーを見ながら確認して出かけるといいですね。
お礼参りの絵馬にメッセージを書く場所を設けているお寺や神社もあります。

戌の日のまとめ

戌の日のまとめ

「戌の日」とは、日本の歴の上で十二支が毎日割り当てられている「戌」にあたる日です。12日に一度回ってきます。
細かく記載してあるカレンダーには載っています。
犬はお産が軽く、安産と言うことで安産の象徴として愛されてきました。
その安産の象徴の由来から、妊婦さんが妊娠5か月を迎えた最初の戌の日に、安産を祈願してお寺や神社で腹帯を巻いて安産祈願をするお祝いの儀式を、「戌の日の安産祈願」とする日本独自の風習があります。妊娠してからの初めてのお祝いの日です。

妊婦さんとお腹の赤ちゃんの体調が最優先ですので、必ずしも「戌の日」に祈願しないといけないということはありません。
妊婦さんの体調や、付き添いのご家族の予定、天気や天候などを考えて、妊娠5か月目の最初の戌の日に近い日を選びましょう。
お祝い事ですので、特に大安の戌の日は人気のお寺や神社には安産祈願をする人がとても多く、2017年、2018年と過去の例を見ても待ち時間もとても長かったようです。
カレンダーと週数を照らし合わせて無理のない祈願の予定を立ててくださいね。

また、戌の日の祈願時に巻く帯の腹帯とは正式には紅白と白のさらしです。
大きくなっていくお腹を保護したり、腰痛や冷えから守るためにお腹に巻きます。
この腹帯は、祈祷をするお寺や神社で用意されている場合もありますし、こちらから持参するというところもあります。
帯は大きくなっていくお腹を守ったり、赤ちゃんを安定させたりする役目があるので、できれば安産祈願の日から出産まで着けておいた方が良いでしょう。
戌の日の安産祈願のご祈祷も予約制とそうでない場所があるので、お参りしたい神社やお寺に問い合わせて事前に調べておく必要があります。
体調が悪かったり、安静と言われていたりして妊婦さん自身がお寺や神社に行けない場合は、代理の方に祈祷してもらうことも可能です。
妊娠中の体は非常にデリケートなので出産まで決して無理はしないように、自身の体調とお腹の赤ちゃん最優先でスケジュールを組んでくださいね!

お寺や神社で安産祈願を行った後は付き添いのご両親がいらっしゃる場合は、祝い膳を囲み、生まれてくる赤ちゃんの楽しみをみんなで分かち合いましょう。

戌の日の安産祈願は、日本の風習とはいえ、強制ではありません。
ママが健康的な妊婦生活を送るための準備や、お腹の赤ちゃんを守るための心づもり、出産までに旦那さんがパパの自覚を持つためのきっかけとして行ってもいいですね!