妊娠中の出血について種類と注意したいこと

妊娠中の出血について種類と注意したいこと

待望の妊娠を喜んでいる妊娠初期。
この妊娠初期の出血はお母さんの心身ともにダメージが大きいはずです。
今この記事を見ていただいている方の中には悩みながら、不安に押しつぶされそうになりながら、なにか情報がないかと開いた方もいるかと思います。
少しでもその不安が和らぐようにこの記事では妊娠初期の出血について詳しく説明していきます。

こうして書いている私自身、妊娠6週目で出血がありました。
4人目の妊娠なのですが、初めての出来事でした。
薬を摂取したわけでもないし、アルコールも飲んだわけでもない。
妊娠初期といってもはっきり赤ちゃんが見えるわけでもなく、赤ちゃんが入っている袋がわかるくらいで受診をしない限り赤ちゃんを感じることは少ない時期だったので、自分がいくら大丈夫とは思っても実際のとこがわかりませんでした。
腹痛があったわけでもなく、いつもの一日で、トイレに行くと生理のように出血していました。
妊娠していなくても不正出血は怖いのに、妊娠中の出血、ましてや初期の出血は怖かったです。
妊娠中の出血=流産のイメージだったからです。
そして、何人産んでもこの恐怖は消えないと思います。
そして、まずすること。。。
少量の出血でも出血が少しでも見られたら、自己判断はせず、必ずかかりつけ医に相談しましょう。
ひとまず、慌てず焦らず産院に連絡して受診を促されたら速やかに必ず受診してください。

月経様出血(着床時出血)

月経様出血(着床時出血)

本来の生理予定日である日にちごろに性器出血が起こることがあり、これを「着床出血」といいます。
妊娠の兆候の一つとしていわれるのが着床出血です。
卵子と精子が受精し、一週間程度かけて受精卵が子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。
受精卵が子宮に着床した時点から胎芽と呼ばれるようになり、正常な妊娠であれば胎嚢(たいのう)と呼ばれる赤ちゃんの袋が確認できます。
このころは妊娠4週(妊娠初期)ごろとなります。
時期的に生理予定日付近になるので妊娠と疑わず、生理と思ってしまう場合があるようです。

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着床出血があった場合の時期は?

着床出血の多くは、生理開始予定日の数日前あたりにみられるため、生理がきたと思ってしまう人がいるようです。
生理時と比べて出血量は少量、また期間も短く2~3日で治まります。

着床出血の色はどんな感じ?

着床出血の色は、薄いピンク色や生理の初めのような暗い赤褐色であことが多いようですが、ごくまれに真っ赤な鮮血である場合もあります。
いずれにしても個人差があるので、自己判断は禁物です。
また、量はごく少量であることがほとんどで、生理並みの出血量になることはまずないようです。
月経血と比べると量が少なく、長く続かないのが特徴のようです。
ただ、着床出血と生理の出血とを量や色だけで見分けるのは難しいといえるでしょう。

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生理の出血と着床出血を確実に見分ける方法はない?

着床出血だと自己判断して、すぐに妊娠検査薬で調べる人もいますが、次期が早すぎると陽性反応が出ないことも、、、
そして、ここで「妊娠していなかった」と判断して放っておいたら、実は妊娠していた、ということもありえます。
そこで、着床出血か生理の出血かを見分けるのを確実に近づけるのが、基礎体温です。
基礎体温とは、運動したり、食事をしたり、精神的な作用のない、体温を変動させるようなことがないときの体温のことをいいます。
着床出血かどうかでわからず不安になったり、妊娠したかしないかで一喜一憂したりするよりも、基礎体温を測る方が確実に妊娠の可能性がわかるようです。

着床出血には痛みがある?

着床出血と同時にチクチクといった痛みを感じる人も中にはいるようです。
「着床痛」などと呼ばれていますが、その根拠はまだ明らかになっていません。
着床出血があったからといって、必ず痛みがあるわけではなく、むしろ何も感じない人のほうが多いようです。
いずれにしても、痛みがあったかどうかで妊娠を判断するのは難しいです。
基礎体温表や妊娠検査薬などで判断したうえで、妊娠の可能性があれば産院を受診するようにしましょう。

絨毛膜下血腫

絨毛膜下血腫

子宮を包む絨毛膜という膜の外側に血液がたまっている状態で、切迫流産の症状の一つです。
妊娠初期~中期に起こり、超音波検査によって発見されることが多いようです。
受精卵は「羊膜」「絨毛膜」「脱落膜」という3つの膜で構成された卵膜に包まれています。
着床すると「絨毛膜」から突起した絨毛が子宮内膜(脱落膜)に向けて伸び、胎盤を作り出します。
絨毛膜の絨毛が値を根を張るプロセスで、絨毛の先が脱落膜を壊してしまい、血管が破損し出血を引き起こすこともあり、その際に出血が止まらず、脱落膜に血液がたまり血腫(血の塊)となったものが絨毛膜下血腫となります。
自覚症状がない場合もありますが、出血のほかに下腹部の痛みを伴うこともあります。
通常は血腫は子宮内で吸収されますが、出血量によっては絶対安静を支持されます。
胎盤が完成される妊娠4、5ヶ月(妊娠中期)までには症状が治まり自然消滅することが多いようです。
注意すべきは、妊娠中期を過ぎても出血が収まらず血腫が慢性化するケースです。

絨毛膜下血腫の診断と治療法は?

絨毛膜下血腫かどうかは、出血や妊婦検診のエコー検査で確認できますが、大きさや出血量など、絨毛膜下血腫判断する明確な診断基準はないようです。
切迫流産の原因に絨毛膜下血腫の合併があった頻度を表す数字は4~40%ほどです。
薬による治療は確率されていないため、慢性化した場合は、出血を悪化させないように安静を指示されます。
病院によってはおなかの張り止めや止血剤などの薬を出すところもあるそうです。
血腫の位置や、大きさ、出血量によっては、流産もしくは早産のリスクを抑えるため、管理入院して状況を診るようです。

自宅安静指示が出たら家事や仕事はできるの?

自宅安静指示が出た場合は、できるだけベッドや布団の上で横になり、不必要な動きは避けなければなりません。
また、治療がそれしかないという現状で、薬があるわけでもなく、選ぶ道がないのでお母さん本人に負担がくるものだと思います。
絨毛膜下血腫には診断基準がないため、妊婦検診の超音波検査で、出血の量が血腫の大きさなどの様子を診ながら、状況に応じて医師からの指示を受けます。
妊娠中期には出血が収まることが多く、万が一出血が続いても赤ちゃんの心拍が確認できていれば、妊娠の継続は可能なようです。
その場合は症状を悪化させるような行動は控え、体に負担をかけない生活を心がけましょう。
元気な赤ちゃんを産むためにも、パートナーや周りの人のサポート、家事サービスなどをうまく利用しながら、出産まで安静に過ごしましょう。

子宮頚部びらん

子宮頚部びらん

婦人科検診などで「子宮頚部びらん」という診断を受けた、という女性も多いかもしれません。
言葉だけを聞くと病気なのではないか、と不安になると思います。
でも実は病気ではなく、子宮頚部の状態を指す言葉にあたります。
そもそも「びらん」とは「ただれている」ことで、一般的な「子宮頚部びらん」とは、「子宮警部が赤くただれているように見える。もしくは実際にただれている状態」のことを表しています。
特に性成熟期の女性に起きやすい生理的な変化にあたります。
ただれているように見えるものを「仮性びらん」、実際にただれているものを「真性びらん」と区別して呼ぶことも。
膣の奥深く、子宮の入り口がただれていることで出血が起こります。
妊婦さんに限らず、若い女性の不正出血の原因としても多く見られることもあります。

子宮頚部びらんの症状は?

痛みなどの自覚症状はほとんどないようです。
ただし、びらんの面積が大きくなるほど、上皮からの分泌量が増えるため、おりものが多くなる女性もいるようです。
おりものの特徴は、粘り気があり、黄色か白色をしています。
また、びらん部分は、細菌や刺激に対する抵抗力が弱く、上皮にたくさんの血管が集まているため、性交や排尿、排便などの外的刺激により出血することもあります。
お腹の痛みや張りはなく、少量の出血があったり、おりものに血が混じったりすることがあります。
生理的なものなので心配ないことが多いですが、自己判断せずに産院を受診するようにしましょう。
ただの「びらん」だと思って油断していていたら、実は子宮頸がんや膣炎、性感染症などの病気が潜んでいる可能性もあるので、おりものや不正出血など普段とは違う現象を注意しておいてください

赤ちゃんへの影響は?

病気ではないので、子宮頚部びらんができたからといって、不妊になったり、妊娠後の胎児の成長に影響を与えるわけではありません。
ただし、びらん部分が細菌感染してしまうと、子宮頚管炎などに発展し、不妊の原因になる可能性もゼロではないようです。

子宮頸管ポリープ

子宮頚管の粘膜に起きるいぼ状の突起であり、ほとんどが良性の腫瘍といわれています。
子宮の入り口付近に発生しやすく、大きさは約2~3mm、大きくても1~3cm程度です。
数もひとるである場合がほとんどですが、複数できる場合もあります。

経産婦に多い?

子宮頸管ポリープの原因は子宮頸管炎によるもの、子宮の炎症、出産、流産など様々な原因がいわれており、現在では正確な原因がまだ解明されていないようです。
このほかにも、卵胞ホルモンであるエストロゲンが関与しているともいわれます。
しかし、子宮頸管ポリープになってしまう人が、30~50歳代の経産婦が多いことから、出産が子宮頸管ポリープの原因となるのではないかと考えられています。

妊婦にはどのような影響が?

妊娠中に子宮頸管ポリープが存在していると絨毛膜羊膜炎の発生、頸管開大となるリスクが高くなるようです。
しかし、妊娠時の治療は治療そのものが子宮内膜に影響を与えたり感染を起こし、流産してしまう可能性がでてきます。
そのため、薬で経過観察したり、胎盤が安定してから治療の方向にもっていくとが多いようです。
ポリープから出血することはありますが、痛みはなくほぼ無症状です。
妊娠したことによって気付くことが多いようです。
ポリープの大きさや位置、状態によって異なりますが、必要なら妊娠中に切除することもあります。
切除すればほぼ問題ないです。

切迫流産

切迫流産

妊娠22週未満に出血や下腹部痛といった流産と同じ症状がある状態のことをいいます。
妊娠が確認されていて、妊娠22週未満に痛みや出血によって受診した人はすべて「切迫流産」という診断名になります。
なので、「切迫流産」という言葉でパニックにならないでください。
「切迫流産」は、少量の出血があっても子宮頸管は開いておらず、正常妊娠への回復が可能な場合が多いです。
ただ、「切迫流産」を根本的に治す薬はないので、治療法は現在のところないようです。
基本的には安静にして経過を観察することになります。
症状が改善して、妊娠経過が正常に進めば、赤ちゃんには影響はないようです。

原因は?

出血や下腹部の痛みの原因として考えらるのは、仕事や運動などのし過ぎ、胎盤が形成される際の出血、膣からの感染によって子宮内が炎症を起こしている、さらには頸管無力症(子宮頚部が弱い)などの理由が考えられますが、原因が不明な場合もあります。
また、出血の原因としては胎盤が着床する部分(絨毛)や胎盤がはがれて、子宮を包む絨毛膜に血液がたまってしまう絨毛膜血腫が起きていることもあります。
出血量が多いと流産のリスクも高くなるため、経過を見ながら医師の診断を待ちましょう。

治療法は?

現在のところ、切迫流産から流産への移行を確実に防ぐ治療法はないといわれています。
基本的には安静にして経過をみたり、状態に応じた薬による治療を受けます。
経過を見るといっても、状態によってすぐに入院する、自宅で静養する、とくに生活を変えずに様子をみる、など対応は様々です。
子宮内で胎児の心拍が確認されていれば妊娠は継続しているということなので、安静にして経過をみることで、そのまま妊娠継続できる場合もあります。
出血がないからといって、安心できるわけでもなく、お母さん本人は受診して赤ちゃんの姿を見て初めて安心できるものだと思います。
安静にしていても赤ちゃんを確認できるのは診察の時で、何週間もあく次回の診察が待ち遠しくてたまらないはずです。
切迫流産と診断されても、安静にするなどの治療により妊娠を継続できる場合が多いとされています。
切迫流産と言われたら、無理な行動は避けて医師の指示に従いましょう。

子宮外妊娠(異所性妊娠)

子宮外妊娠(異所性妊娠)

受精卵が子宮の中ではないところに着床してまうことで、その98%は卵管に着床してしまうようです。
検査薬等で妊娠反応が陽性でも、子宮内に赤ちゃんが見えないことで子宮外妊娠が疑われます。
また、卵管妊娠を放っておくと卵管が破裂し、大量の出血や激痛、血圧低下などのショック症状に陥ることもあるので、たいへん危険です。
子宮外妊娠と診断された場合は、薬で治すこともできないので残念ながら赤ちゃんはあきらめることになってしまいます。
卵管破裂が起こった場合は、手術で着床部分を切除することになります。
もう一つの卵管に異常がなければ、次の妊娠も可能となります。

病院に電話する前に確認

病院に電話する前に確認

出血がどこで起きているかによって、注意度が変わりますが、どの部位から出血しているかは受診してみないとわかりません。
子宮の中で起きる出血には、妊娠経過にほとんど影響のないものもあるようですが、やはり妊娠初期であれば流産につながる可能性があるケースもあります。
「続く出血ではないから大丈夫」や「少量だから」と自己判断せずに、病院への受診は必ずです。

出血が起こった際に注意して見ておきたい色と量

出血の原因が何なのかは受診してみないとわかりませんが、産院に連絡するときに出血の色や量を聞かれます。
また、現在の週数の確認も行いましょう。
出血の色や量を伝えると、対応がスムーズに行えるので注意して見ておいてください。
・色
薄茶色や黒っぽい血は過去の出血が出ている状況が考えられます。
鮮血は現在、出血している可能性があると考えられます。
(緊急度が低いと思われるもの)
薄茶色
茶色
赤褐色
ピンク
真っ赤

・量
(緊急度が低いと思われるもの)
おりものに血が混じる
下着に少しつくくらい
生理2日目くらいの量
レバー上の塊
さらさらとした血液が流れ続ける

産院に連絡したとき伝えること

連絡する前に伝える内容をメモしておくと慌てずにすむので記録しておくといいでしょう。
妊娠週数
出血の量と状態
出血の色
いつ気付いたか
お腹の張りの有無

気を付けたい妊娠初期の出血

気を付けたい妊娠初期の出血

胞状奇胎

胎盤を形成するもとになる絨毛が病的に増殖し、ブドウのような水疱状の粒で子宮内を満たしていきます。
通常の妊娠と比べて子宮がはるかに速く大きくなっていきます。
そんなに目立つことのない妊娠初期でもわかるくらいのお腹の大きさのようです。
主に受精卵の以上で起こり、胎児が吸収されてしまう場合と、最初から胎児がいない場合があります。
つわりの症状がひどいのが特徴で、茶色いおりものや少量の出血が続くこともあります。
確定した場合は、なるべく早く子宮内容除去手術を行うことになります。

子宮頸がん

子宮頚部にできるがんで、自覚症状がないことも多いのですが、不正出血が見られた時は進行していることもあります。
妊娠初期の検査がきっかけで発見されることもあるようです。
妊娠中に発見される子宮頸がんの多くは、前がん状態(がんに向かっている状態)か初期のものがほとんどです。
ごく初期のがんは子宮頚部を円錐状に部分切除することがありますが、前がん状態では、多くは細胞診を行いながら経過観察を続けて出産に臨みことになります。
がんが進行していてこのままでは命に関わるケースでは、早めに帝王切開をして、直ちに子宮摘出をすることもあります。

早期流産

妊娠初期に起こる早期流産のほとんどは赤ちゃん側に原因があるようです。
症状は流産の状況によって違いますが、一般的には出血や下腹部の痛みや張りなどの症状が目立ちます。
流産が確定してしまったら、残念ながら赤ちゃんはあきらめるこになってしまいます。
医療機関で確認された妊娠の15%前後は流産になっており、妊娠12週未満に起こる「早期流産」がその8割を占めているそうです。
とても残念なことですが、主な原因はたまたま起こった受精卵の異常であり、妊娠初期の仕事や運動などが影響していることはほとんどないといってよいようです。
流産の状況によっては手術をしないこともありますが、子宮内に赤ちゃんや胎盤などの組織が残っている場合は、できるだけ早い時期に手術を行うことになります。

出血以外で妊娠初期に注意したいこと

出血以外で妊娠初期に注意したいこと

風疹
妊婦が妊娠12週までに風疹にかかると、胎児に先天性風疹症候群(難聴、心臓病、白内障、制維新発達遅延)になってしまう場合があります。
妊娠が発覚したら、風疹抗体検査を受けることをおススメします。
抗体が陰性の場合には、ワクチンの接種が望ましいとされています。
ワクチン接種後には、2カ月の避妊が必要となります。
なお、過去に風疹にかかっていても症状の出ない人が15~30%いるようです。

まとめ

まとめ

妊娠初期の出血は生理と時期的に生理と思ってしまったり、気付くことができるか不安に思われるかもしれませんが、気付かない程度の出血で、その後の妊婦健診でも問題がなかったのであれば、心配ないと考えられます。
少量の出血や下腹部痛は、切迫流産以外に正常妊娠や流産でも起きる場合がありますので、時間外のような場合は、慌てて受診せず、次の日の朝までしばらく安静にして様子をみるようにしてもいいかもしれません。
ですが、腹痛が激しくなったり、出血が多くなったりした場合には、夜間・時間外であっても受診するようにしましょう。
なにはともあれ、受診をしないことには安心はできないと思います。
お母さん自身が気になるようであれば、産院に連絡後受診してもいいと言われれば受診してもよいと思います。
赤ちゃんの姿を確認して初めて安心できるものだと思います。
妊娠中の出血はもちろん、まだ妊娠して間もない時期に、出血があると心配になってしまうものです。
正しい知識と対処法を知っていれば、あわてることはありません。
妊娠後期へ向けての準備として赤ちゃんもお母さんも頑張っている時期だと思います。
あの胎芽から小さな袋を確認した初期から、胎動や性別がわかる時期になるまであと少しの辛抱です!
そして、赤ちゃんが寝返りするころ、こんなこともあったなと感じれるように今この辛さを乗り越えましょう。